MCP ID(Microsoft 認定資格 ID)を統合する

この記事では、2つの Microsoft アカウントでそれぞれ別で存在しているMicrosoft 認定資格 ID (以下、MCP ID )を統合する方法について解説します。
Microsoft Certifications Program (MCP: Microsoft 認定資格) を取得するにあたって、まず皆さんが行うことは MCP ID を Microsoft アカウントに紐づけて取得することだと思います。ただ、この部分について、最近以下のような質問をよく頂くようになりました。

"資格に紐づいているアカウントを現在2つ持っており、統合できたりするのでしょうか。"
"個人アカウントと会社で作成した2つのアカウントを持っており、それぞれ別の資格を取得しているため統合したいです。"

最近は Microsoft Build や Microsoft Ignite 、日本マイクロソフトが主催している各種 Training Day (AZ-900 や PL-900 など) で、 MCP 試験受験が 1 回無料になるバウチャーを取得できるようになり、多くの人が気軽に MCP 試験を受験することができるようになってきました。
しかしながら、先述のように、現在所属している (または過去所属していた) 会社のメールアドレスの MCP ID 、個人のメールアドレスの MCP ID とアカウントを2つ所持してしまい、資格情報が分散したり転職する/した際に困るといった声も多くなってきたため、この記事で解決方法について記載しておこうと思います。

※場合によっては、MCP ID が統合できないと言われる可能性もあります。以下に記載の方法を行うことで必ず MCP ID が統合できると確約するものではない点、予めご承知おきください。

統合先の Microsoft アカウントは必ず個人のものを指定する

MCP ID を統合するにあたっては後述する手順を参照して欲しいですが、まず決めなければいけないことは どの MCP ID に資格情報を統合するか についてです。
そして、この答えは 個人のメールアドレスで取得した Microsoft アカウントに紐づいている MCP ID に統合する 一択です。これを「会社の Microsoft アカウントに紐づいている MCP ID に統合したほうがいい」と言う上司や社内の人間がもしいたら、その人はあなたにとって悪意あるいは恣意的理由を持って接している可能性が高いため、気をつけましょう。
なぜなら、会社のメールアドレスで取得した Microsoft アカウントに MCP ID を統合してしまうと、色々な観点で個人としてはデメリットしか生まれません。

  • 転職やメールアドレス変更などをした場合、登録したメールアドレスが使えなくなり、紐づく MCP ID が今後利用ができなくなる可能性がある
  • 現在、新規で MCP ID を取得する際は組織に所属している Microsoft アカウントが利用できないようになっている
  • Microsoft アカウントと違って、 MCP ID はセカンダリのメールアドレスで会社のメールアドレスを登録できる
  • MPN (Microsoft Partner Network) は MCID を登録すればいいだけなので、会社のメールアドレス云々は関係ない

上記のような理由から、統合を行うにあたっては、まず個人のメールアドレスで取得した Microsoft アカウントがあることを確認しましょう。
まだ個人の Microsoft アカウントに紐づいた MCP ID を所有していない方は、統合を行う前に取得しておきましょう。

MCP ID を統合する

さて、本題の MCP ID の統合ですが、こちらは正式にホームページなどでは公表されていない内容になります。
公表されていない理由は (おそらく) シンプルで、

  • MCP ID の二重取得による不正利用などを防ぐ
  • 本来の MCP ID 取得フローに基づくならば、 MCP ID を統合したいといったニーズは発生し得ない

といったような部分があると思います。

MCP ID を統合するには、以下に記載している Microsoft トレーニングサポート のサイトから新規に問い合わせを発行して、MCP ID の統合に関する個別対応を依頼することになります。

trainingsupport.microsoft.com

こちら、実際にアクセスしてもらえればわかると思いますが、 MCP ID を統合したい といったチケットがたくさん表示されていることと思います。

trainingsupport.microsoft.com

trainingsupport.microsoft.com

自身の MCP ID を統合したい際は、まずこちらのフォーラムにサインインし、画面上部にある質問するリンクから、問い合わせを新規発行してください。問い合わせ時に指定するカテゴリサポート領域およびトピックは以下に設定しましょう。

  • カテゴリ: マイクロソフト認定
  • サポート領域: 認定プロファイル
  • トピック: MCID アシスタント

問い合わせを新規に作成した場合、今回の問い合わせにアサインされた担当者より、対応方法についての返信がきます。 MCP ID の統合にあたっては、以降、個別に案内されるプライベートチャット内での対応方法に従って統合を進めていくことになります。

(この話関連では、プロフィールは公開されてませんが、よく黒田 舞さんがご対応されているのをお見かけします。ちなみに私も過去、 MCP ID の統合でご対応いただいたことがあるのですが、とても丁寧に対応していただきました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。)

質問する際の注意

質問内容は、全世界に公開されることになります。そのため、質問内容には個人情報を絶対に記載しないようにしてください。
あとから「この部分だけ消してください」「この投稿を消してください」といったお願いはできませんので、注意しましょう。
質問を投稿し、担当者から返信が行われた以降は、プライベートチャットでのやりとりになると思います。こちらでは内容は一般に公開されず秘匿されるので、こちらでメールアドレスなどの個人情報を担当者に伝えるようにしてください。

また、 MCP ID の統合にあたって、担当者に Microsoft アカウント、およびアカウントに紐づく MCP ID の情報を確認してもらうことになります。
確認された状況によっては、MCP ID が統合できないと言われる可能性もあります。
例えば、「MCP ID の統合頻度が高い」であったり、「MCP 無料バウチャーを複数取得して資格を受験した後に MCP ID を統合する」といったような内容が想定された場合、Microsoft アカウントの不正利用と認定されて統合できないと言われる可能性があると思います。
(まあ、普通に Microsoft アカウントを利用しているみなさんには縁がない内容だと思いますので、純粋に問い合わせをすればいいと思います。私自身も、特に問題などはありませんでした。)

MCP ID の統合を行う前には MCP 試験予約はやめておこう

MCP 試験を予約したことがある人は知っていると思いますが、試験予約にあたって MCP ID を Pearson VUE からの申し込み時に紐づけることが必須になります。
MCP ID を統合してしまった後に試験を受ける際、統合されてしまった MCP ID を使用することができなくなるため、統合先/統合元の MCP ID で試験受験予定がすでにある場合、 MCP ID の移行に支障が発生する可能性があります。
そのため、 MCP ID を移行する際は もうこの MCP ID を使用して MCP 試験を受験することはない状況下で統合の依頼を行う 必要がある点、留意しましょう。

さいごに

MCP ID は、あなたの一生のお供になる存在でもあります。自身の保有するスキルを客観視できる大切な ID です。
MCP ID を個人と会社、2つ所持してしまって困っているという方は、この記事を参考に MCP ID を統合し、次の MCP 試験を受験して次のスキルアップ/キャリアに向けてがんばりましょう!

MCP ID には、トランスクリプトを他人に共有できる機能もあります。たくさん試験を合格した際は、トランスクリプトを共有して自身の保有するスキルを雇用主や面接官などに提示することができます。
たくさん試験を合格して、トランスクリプトを共有できるようになると、なおいいですね。(合格した試験や現在取得している認定をはじめ、更新や期限切れなどにより失効した試験名/認定名も確か表示されたはずです)

trainingsupport.microsoft.com

MCP ID 統合に悩んでる皆さんが、この記事を参考に MCP ID を統合し、よりよい MCP 認定資格ライフを過ごせるようになれることを祈っております。

関連動画

本記事の内容については、過去、日本マイクロソフト主催の Azure Rock Star Program でのイベントでも触れさせていただきました。
アーカイブ動画が先日公開されましたので、興味ある方は是非こちらもご確認ください。
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